生産管理アプリを自作した。QRコードで工程と在庫を追跡する

スマホでQRコードを読み取っている様子
難易度むずかしい
コスト感低コスト
所要時間体感1日(要件定義含む)
分類バックオフィス

困っていたこと

製品はカット→バレル研磨→測長→梱包という工程を順番に流れていきます。このどの工程まで進んでいるか、今どこに何個あるかを、現場に貼った紙の現品票と、担当者の記憶でほぼ管理していました。

切断して、バレル処理して、測長して、梱包して――その流れを手書きで追い、あとからExcelに転記する。転記のたびに、ロットNoの書き写し間違いが起きるリスクもありました。材料の在庫も同様に、台帳や記憶に頼る部分があり、いま何がどれだけあるかをすぐには答えられませんでした。

「見えていない」ことで、社長が状況を把握するための調整業務がずっと発生していました。こういう仕組みは以前からやりたいと思っていましたが、専門の開発会社に頼めば結構な工数とお金がかかるだろうと思い込み、後回しになっていました。

スマホでQRコードを読み取っている様子
現場のスマホで、工程ごとにQRコードを読み取るだけ

やったこと

Claude Codeとチャットで話しながら、生産管理アプリを自作しました。コードはほぼ触っていません。要件定義から動くところまで、体感で1日ほどでした。

まず、紙の現品票をQRコード1つで完結する現品票に置き換えました。ロットNo・材料No・個数といった情報はQRに集約され、紙に手書きする項目は最小限になっています。

現品票のBefore/After
Before:手書き項目の多かった現品票/After:QRコードに情報を集約

このQRコードを、工程が終わるたびにスマホで読み取ります。カット、バレル、測長、梱包――スキャンするだけで、どの工程をいつ対応したかが自動で記録されます。あとから「このロットは今どこまで進んでいる?」と聞かれても、履歴を開けばすぐにわかります。

QR読み取りで確認できる工程履歴
QRを読み取るだけで、工程ごとの履歴が自動で記録される

工程ごとにQRを読み取る画面が用意されていて、進捗一覧や履歴照会、現品票の印刷もこの画面からできます。材料の在庫管理機能もあわせて作りました。特別な端末は使わず、データベースにSupabase、ホスティングにVercelを使って現場のスマホからそのままアクセスできるPWAアプリにしています。

工程メニュー画面
カットから出荷・在庫管理まで、工程ごとにメニューが分かれている

ノーコードツールという選択肢もありますが、正直、チャットで話しながら作るこのやり方のほうがシンプルだと感じています。

結果とコツ

紙とExcelの二重管理をやめたことで、次の4つの効果がありました。

  • ロット番号の重複がなくなる:番号はシステムが自動発行するため、手作業による重複や振り間違いが起こりません
  • 転記ミスがなくなる:現品票の情報がそのまま納品書・検査成績書に引き継がれるため、手書きで写す作業自体がなくなります
  • 必要な情報にすぐたどり着ける:紙の保管・現物探しに代わり、電子データから該当ロットを即座に特定できます
  • 進み具合がリアルタイムでわかる:各工程の状況をその場で把握できるため、納期回答が早くなり、遅れも防ぎやすくなります
現品票デジタル化がもたらす4つの効果

工程の進み具合と在庫が可視化されたことで、社長が普段やっていた「今どうなってる?」の調整業務がなくなる見込みです。

「専門知識も予算もないから無理」と思っていたことが、実際にはチャットで話すだけで、思っていたより早く・安く形になりました。立派なシステムを買って現場を合わせるのではなく、現場に合わせて必要な道具を少しずつ育てる。これが、うちのような小さな町工場に合ったデジタル化の進め方だと感じています。